2008年09月18日

離散フーリエ変換(DFT)と離散逆フーリエ変換(IDFT)

実際にコンピュータを用いてスペクトル解析を行う場合、無限の範囲の計算を行う数式はプログラムで扱いにくいので、有限個の点でサンプリングした場合のフーリエ変換と逆フーリエ変換を考える。
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まず、複素フーリエ変換の指揮区間[-L,L]を区間[0,T]へシフトする為に変数変換を行うと(1)となる。ここで有限個のN点でサンプリングすることを考慮すると、複素フーリエ係数の積分は積和で計算可能となるので、(2)のようになる。よって最終的に求まった式の形として、(3)を離散フーリエ変換、(4)を逆離散フーリエ変換と言う。

離散フーリエ変換のオーダーはO(N^2)で、実用的なサンプリング周波数を取った場合、膨大な計算量になることを考えると現実的でない。この問題を解決するために、高速フーリエ変換(FFT)と呼ばれるオーダーがO(NlogN)で計算可能な画期的なアルゴリズムが存在する。
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2008年09月10日

フーリエ変換と逆フーリエ変換

フーリエ級数展開では主に周期関数を扱っていたが、ここで全実数区間(-∞,∞)で定義された周期を持たない関数を扱う方法について考えてみる。ただしフーリエ変換で扱う関数は絶対可積分である必要がる。
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まず任意の周期の複素フーリエ級数の式に複素フーリエ係数を展開すると(1)が求まる。そこで変数変換をすると(2)となるが、新たな関数Fを(3)のように定義すると(4)となる。今回は周期を持たない関数、つまりL->∞(ωn->0)の場合を考えるので、(5)となる。この式の形はリーマン和の定義に基づき(6)と変形が可能である。そこで(3)に関しても同様にL->∞(ωn->0)となるので(7)が求める。(7)をフーリエ変換と言い、(8)をフーリエ逆変換と言う。

フーリエ変換の式の持つ意味として、時間や座標を変数とする関数を周波数を変数とする関数に変換する作用があり、フーリエ逆変換の式の持つ意味として、周波数を変数とする関数を時間や座標を変数とする関数に変換する作用を持つ。工学的な応用としては幅広く、スペクトル解析などにより、音声解析、変換などに活用できる。
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2008年09月06日

複素フーリエ級数展開

フーリエ級数をオイラーの公式を用いた複素フーリエ級数で表すと以下の通りになる。なお、今回は周期2Lの場合も同時に求める。
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まず、オイラーの公式から求めた複素数形式の三角関数を用いて、フーリエ級数の等式変形を行うと(1)のようになる。ここで各フーリエ係数を(2)のようにおくと、(3)になる。これを複素フーリエ級数という。またcnは同様にオイラーの公式より(4)のようになる。特に周期2Lの複素フーリエ級数である(5)及び(6)はフーリエ変換へつながる非常に重要な公式なので併せて覚えたい。
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フーリエ級数展開

フーリエ級数展開とは任意の周期関数を周期2πをもった三角関数系の一次結合で表す方法である。

区間[-π,π]において広義積分を含まない、すなわち有界なリーマン可積分関数f(x)の三角関数系におけるフーリエ級数及びフーリエ級数は以下の通りである(なお、フーリエ係数anのnの範囲に定数項であるa0も含まれていることに注意)。
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ここでフーリエ級数の収束性についても若干触れておくと、関数f(x)が区分的になめらかならば、f(x)のフーリエ級数は全ての点で収束する。その値をs(x)とすると、関数f(x)が連続な点x0ではf(x0)に、不連続な点x0では(4)をとることが示される。したがって式(1)では等号の=ではなく、近似の〜を用いて関数f(x)を表している。

次に周期関数の周期が2πではない場合、すなわち周期2Lのような場合のフーリエ級数は以下の通りである。
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上記式は複素フーリエ級数展開からフーリエ変換へ発展する重要な公式なので是非覚えておきたい。
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記事修正

電気電子回路のいくつかの記事に誤りがあったので、画像及び内容を修正。
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